不登校の悩みって、誰にもわかってもらえないような気がして誰にも相談できずにいる方が多いようです。
自分が何に悩んでいるかを言葉にできず、心の中がモヤモヤしているという人もいるでしょう。
誰かに相談したくても、何て話せばいいかわからない。
昔から「誰かに悩みを聞いてもらう」ということで心が軽くなったりしたものですが、悩みを誰かに聞いてもらうことは本当に、心を軽くすることにつながるのでしょうか。
悩みを話すことで得られる効果
悩みを話すことには、実は効果があります。
心の中にあるモヤモヤを話すことでカタルシス効果というものが得られます。
カタルシスとは、抑圧された過去の不快体験と結びついた感情や内的葛藤を、自由に表出することにより発散すること。今日(こんにち)、カタルシスの効果は精神分析以外の心理療法やカウンセリングでも認められている。
臨床心理学キーワード(有斐閣双書)より
臨床心理学という学問の中で、話すことによるスッキリ感というのが認められています。
具体的な悩みでなくても、なんとなく心の中がモヤモヤする、ということも話してみるとスッキリするのかもしれません。
しかし、誰に話しても必ず悩みがスッキリする、というわけではありません。
臨床心理学の偉い人(割愛)たちによると、心の中のモヤモヤをスッキリさせられるかどうかは聞き手にかかっています。
つまり、聞き手の聞き方がカタルシス効果を得られるものでないと、悩みを話したところで心がスッキリするとも限らないのです。
カタルシス効果を得られる聞き方とは?
心のモヤモヤを話してスッキリするためには、聞き手の聞き方というか、「あり方」が重要です。
モヤモヤを晴らす聞き手のあり方は
- まず話に耳を傾ける
- 話されたことをそのまま受け止める
どんな悩みであっても、まずは話に耳を傾けること。
心の中のモヤモヤしたものを話している時は、時間がかかるかもしれないけど、「そんなん誰でも経験する」とか「割り切るしかない」なんて切り捨てずに、まずは耳を傾けます。
そして、話された内容をそのまま受け止めます。
「それはダメ」とか頭ごなしに否定せず、かといって「いいね」とかの判断もしないのが理想的です。
聞き手のあり方によって「自由に話していいんだ」という環境を作ることができれば、カタルシス効果が得られるそうです。
通信制高校は不登校の悩みや、言葉にならない心のモヤモヤを抱えている方がたくさんいます。
入学されて、進路相談会をきっかけにして悩みや心のモヤモヤを話してくださる方もいます。
悩みや心のモヤモヤを話してくれた時には、カタルシス効果を得てもらえるような聞き方で受け止めていきたいと思います。
臨床心理学の偉い人で割愛したのは、ユングさんという方やロジャースさんという方です。
もし興味がある方は調べてみてください。図書館にもたくさんの本があるはずです。